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2011年3月20日 (日)

東日本大震災。「消費者」として「企業」として、いま、何ができるのか?(コーズ・マーケティング)

 

 東日本大震災の被災地のありさまを見て、1212年に書かれた「方丈記」を思いだした人が多いようです。

 私もその一人です。つなみで家がおし流され、ひとつの村や町が波に呑みこまれ、数百人の遺体が浜辺にうちあげられる・・・・こういった惨事をニュースで知り、「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず・・・」で始まる(高校の古文のクラスで読んだ)文章を思いだしました。

 方丈記の筆者の鴨長明が生きた時代は、400年つづいた貴族社会が終わり、武士が政権を勝ちとった激動の時代でした。そして、また、天災の多い時代でもありました。

 都の3分の1が焼けて消失した大火災もありました。かんばつや洪水によって2年もの間、大飢饉がつづき、餓死してゆきだおれになった遺体の数を数えたら4万人にのぼった・・・と、方丈記には書かれています。しかし、なんといっても、すざまじかったのは、1185年におきた元暦の地震で、山はくずれ海はかたむき、大地がさけて水がふきだした・・・と、記されています。

 京都でおこった元暦の地震はマグニチュード7.4の規模だったと推定されています。

 「方丈記」には、この世の無常さ、人の世のはかなさが描かれています。この世に存在するものは常に移り変わっていく。朝には元気だったものが、夕には命を失う。一瞬たりとも同じ形でとどまるものなどなにもない・・・と。

 鴨長明の無常観は、多くの日本人が実感できる考え方だと思います。なぜなら、日本人は、農耕文明が始まったころから数えて3000年以上の間、自然がもたらす災害によって、自分たちが築いたものを数え切れないほど押しつぶされ押し流されてきているからです。

 以前、私は、「不安遺伝子」を持っている割合は日本人が世界最高だという記事を書きました。2009年に発表された研究によると、ヨーロッパ人で不安遺伝子をもっている割合は40~45%。それに比べて、東アジア人は平均して70~80%。そのなかでも、日本人は一番高くて80.25%です。

 日本人の不安遺伝子を持つ割合が、同じ東アジアの中国や韓国を抜いて一番なのは、地震の多い島国だからかもしれません。Wikiの地震表には、昔の文献に記された地震が年代順に並んでいます。一番最初に記録された地震は、416年に奈良で発生した地震で、これは、日本書紀に記されています。その後、出来事を記録にのこす習慣が一般化すればするほど、記録された地震の数がふえていきます。9世紀にはマグニチュード7以上の地震だけでも7回、17世紀には11回、19世紀には28回の地震発生が記録されています。

 地震列島にすんでいる日本人の不安遺伝子が高いのはあたりまえかもしれません

 しかし、また、日本人は、もう一度立ちあがろうとする不屈さも持っているはずです。そういった遺伝子が存在することを証明した研究はありません。が、すべてを失った廃墟のなかで我慢強く耐え、そのなかから再び立ち上がろうとする気力や明るさを生み出す神経回路が、私たちの脳にはつくられているのかもしれません。

 なぜなら、これだけ多くの天災を経験しながらも、そのたびごとに再度立ち上がってきたではありませんか。

 日本人は無常観を知っています。でも、それは、人間は生きて死ぬ運命にあり何をしたってどうしようもないんだ・・・と、あきらめることではありません。そうでないことは、今回の大災害の被災者の方たちを見ればわかります。自分の目の前で家が呑まれ、手をつないでいた親や子供が呑まれ、気が狂いそうな経験をしながらも、なんと静かに受けとめていらっしゃることか・・・・。そして、多くの方々が、「また、がんばらないと・・・」とさえも口にしていらっしゃる。

 西洋人は自然と対決して自然を征服しようとするが、日本人は人間も自然の一部だと考える・・・とよくいわれます。この説には100%は賛成できません。人間と自然を対立するものとして考える・・・と、きめつけられるのには納得できない西洋人も多いと思います。ただ、はっきりいえることは、日本人は、くりかえされる地震災害の経験から、自然の前での人間の無力さを痛いほど知っているということです。そして、自然の力を畏れるからこそ、自然がした災いは、自分の運命としてあきらめるしかないと考える。だから、なにかを憎しみや怒りの対象にしない。だから、また、生きていかなくてはいけないと思うことができるのです。

 日本人は昨日のことはあきらめる(諦観する)。でも、明日のことはあきらめない(ギブアップしない)のです。

 私たちは被災地の人たちに何をすることができるのでしょうか? 

 私はマーケティングに関するブログを書いています。ですから、その観点から、消費者や企業は何ができるのか考えてみたいと思います。

 ユニクロのファーストリテイリングが14億円(このうち10億円は柳井会長個人から)を寄付すると発表しています。任天堂、トヨタ自動車、日本たばこ、楽天、ソニーも3億円の義援金を寄付するといち早く発表しました。ソニーは、全世界のソニー従業員から寄付金をつのり、その募金総額と同等の金額も寄付するとも発表しています。これを、マッチング・ギフトといいます。従業員が500万円集めたら、同等の額を会社も出し、合計1千万円寄付することになります。

 企業や個人からの寄付はいますぐ必要なことです。そして、現地がもう少し落ち着いたら、ボランティア活動です。スターバックスは、2008年に、アメリカで最も大規模な従業員ボランティア活動を実行しました。ハリケーン・カトリーナが壊滅的ダメージをあたえたニューオリンズに、全国から1万人の店長を集め会議を開くとともに、ハリケーン被害からいまだ復興が進んでいない地域において、述べ54000時間のボランティア活動をしました。

 当時スターバックスは企業として苦しい状況にありました。リーマンショックの影響もあり、来店客数が落ち、ブランドイメージも落ち、株価は48%にまで下がりました。会社を再建するためにCEOに復帰した創業者ハワード・シュルツは、経費がかかりすぎるという反対を押しきって、1万人の店長をニューオリンズに集めたのです。シュルツCEOは、あとで、雑誌インタビューに答えて、こう語っています・・・・「ボランティア活動をしたことが、会社再建の転機となりました。被災地の復興の遅れた地域で子供たちの遊び場をつくり、整地して木も植えました。家も住めるように修復しました。こういった活動を通じて、店長たちは、スターバックスが本来もっていた企業文化や価値観を思いだすことができたのです」。

 会社が危機的状態にあること、そして、その問題を解決するのは誰でもない従業員一人一人の責任であること。ボランティア活動をとおして、リーダーシップとは何かを、従業員が学ぶことができたと語っています。

 ひとつの企業がこれほど大規模な従業員ボランティア活動をした例はなく、メディアにもとりあげられ、それがスターバックスのブランドイメージ回復のきっかけになったことも事実です。しかし、外部へのPRは本来の目的ではありません。シュルツCEOは、ボランティア活動をすることで、スターバックスの従業員であることへの誇りと自信を取りもどしてほしかったのです。

 被災地でのボランティア活動は、企業やブランドの知名度向上やイメージ向上に役立つことでしょう。しかし、それよりも大切なことがあります。信じられないほどの苦難のなかで力強く生きようとしている人たちに接することで、グローバル競争のなかで、ともすると自信をうしないかけていた従業員に日本人であること、いや、人間であることの誇りや自信がもどってくるかもしれません。被災した方たちを助ける活動をとおして、逆に、自分たちが被災した方たちにはげまされることは、よくあることです。

 そして、私たちは、日本の景気をよくすることを考えなくてはいけません。被災地の復興にはお金が必要です。数百年に一度という規模の地震やつなみが起こったとしても耐えられるような街づくりをするのです。莫大な資金がいります。一時的に善意の寄付がどれだけ集まってもまかなえるものではありません。これは、国家プロジェクトです。税金を払える財務的に健全な企業と市民が多く存在しなければ支えていけないプロジェクトです。

 このプロジェクトを実現するためには、企業に、売上・利益を伸ばし、雇用をふやし、従業員への給料をふやしてもらわなければいけません。

 コーズ・リレイテッド・マーケティングというのがあります(Cause Related Marketing。短くしてコーズ・マーケティングともいう)。コーズ(大儀)、つまり、世のためひとのためにするマーケティングです。

 コーズマーケティングは6つのタイプに分けられます。そのうち、企業が売上を上げながら寄付金を募ることができるのは、販売商品やサービスの一定金額や一定割合を寄付するタイプのものです。この種のコーズマーケティングを有名にしたのが、アメリカン・エキスプレスの1983年のキャンペーンです。「自由の女神」修復のための資金を集めるもので、会員がアメックスのカードをつかうたびにアメックスは1セント寄付します。結果、カード会員数は45%増、カード利用 も28%増加。そして、自由の女神はアメックスから170万ドルうけとりました。

 インド洋のつなみ災害のとき、スターバックスは、通常は$10.15するスマトラコーヒー1袋を$2で販売。売上は寄付するキャンペーンをしました。この場合、利益は出なかったかもしれませんが、スマトラコーヒーを買いにきた客が他の商品を買っていくことが考えられます。米セブン・イレブンは、店においてある募金箱に25セントいれてくれれば、企業も25セント足すというマッチング方式を採用し、客から寄付金50万ドルを集め、同じ金額を足して合計100万ドルを赤十字に寄付しました。この場合も、店舗にきてもらえば、商品をついで買いする可能性が高いわけですから、売上には貢献するはずです。

 災害への寄付金をつのるときに、アメックスのようなタイプのコーズマーケティングをすると、企業が市民の善意を利用してもうけている・・・という批判がでることもあります。そういった批判をさけるために、マッチング方式がよく使われます。この方式だと、売上があがっても利益が少ないあるいはゼロの場合もあるので、会社は自分たちが寄付する限度額を最初から宣言しておきます。災害募金の例ではありませんが、メーシーデパートは2008年のクリスマスシーズンに、店舗においてある郵便箱にサンタクロースへの手紙を投函すれば、1通ごとに$1、「子供の夢をかなえる」財団に寄付をする。ただし最高寄付金額は100万ドルまでと宣言しました。2008年は金融危機が発生した年。デパートにクリスマスショッピングに来る客の数も減るであろうことが予測されました。こういったキャンペーンをすることで、来店客がふえ、ついで買いをしてくれることが期待できます。

 いまは広告活動をさしひかえている企業も、原発の問題がある程度落ち着いたら(なにがなんでも、落ち着いてほしいと切に願っています)、広告を出すようになるでしょう。でも、以前の広告は不真面目すぎないかとか明るすぎないかとかいろいろ迷うことでしょう。、コーズマーケティングの広告にしたらどうでしょうか? シンプルなものでよいのです。本物の社員が登場して、こういったキャンペーンを始めることにした理由を述べ、「ジーンズ1本をお買いあげになるごとに、会社がXX基金に100円寄付する・・」と訴える。デパートやファッション、化粧品メーカーなどは、被災地復興プロジェクトを象徴するジュエリーピンをつくって1000円とか3000円で売り、コストを引いた残りを寄付するのもよいでしょう。

 米P&Gは洗剤「タイド」でコーズマーケティングを展開しました。客は、買ったタイドのキャップに記されているURLにアクセスし、同じくキャップに印刷されているコードを入力することで、被災地のひとたちに励ましのメッセージを送ることができます。P&Gはタイドが売れるごとに10セントを拠出し、集まったお金で、避難所で暮らすひとたちの衣服を洗濯し乾燥できる設備を搭載したライトバンを被災地に派遣するサービスを提供します。

 工夫しだいでさまざまな形のコーズマーケティングができます。

 最近、「被災地の方たちのことを考えると洋服なんか買う気にもならないわ」「そうよね。もう贅沢なんかできないわ」という会話をよく耳にします。その気持ちはよくわかります。が、しかし、被災しなかったひとたちの消費活動が停滞すれば、日本の経済は冷え込むばかりです。兆単位の復興予算を、いったい、どうやってまかなうのでしょうか?

 市民-消費者(citizen-consumer)という言葉が、アメリカでよく使われるにようになったのは、9.11同時多発テロのあとからです。記者会見で、「この悲惨な状況において、アメリカ市民に何ができるのか?」と質問され、ブッシュ大統領が「これまでどおりの消費活動をつづけて、アメリカ経済を維持してほしい」というようなことをコメントしたといわれます。その後、ブッシュ政権がイラクに進攻したこともあって、市民の消費者としての役割を強調することには批判もあります。しかし、アメリカや日本といった先進国においては市民の消費活動はまさに国の経済のエンジンなのです

 日本市民には活発な消費活動をしてもらわなくてはいけません。だからこそ、企業は、モノを買ったりサービスを利用することに、市民が罪悪感や後ろめたさを感じないように工夫しなくてはいけません。「自分が消費することが、結局は、被災者の方たちのためになるのだ」と実感できるような仕組みをつくってあげなくてはいけません。

 コーズマーケティングを利用してください

 日本経済を良くしていくためには、エネルギー問題とか根本的に考えなくてはいけない大きな問題があることはわかっています。しかし、経済は心理で大きく動きます。日本人が元気な消費活動をし、企業も元気にマーケティング活動をしていることを見せれば、内外の投資家はすぐに反応します。株価が戻ります(その証拠に、原発で、自衛隊のヘリが空から放水を始めたというニュースだけで、暴落していた株価が上がりました。福島原発の問題が改善したわけでもないのに、改善するための活動を始めた・・・というだけで投資家の心理は変わるのです)。株価が上がれば、企業はより積極的なビジネスを展開できます。

 いま、重要なことは、消費者も企業も活発に行動する意欲があることを内外に見せることです。

 かりゆし58が「さよなら」という歌(作詞・作曲 前川真悟)をうたっています。その歌詞のなかで、心うたれる言葉があります。

       命は始まった時からゆっくり 終わっていくなんて信じない

       ぼくが生きる今日は もっと生きたかった誰かの

       明日かもしれないから

 自分の家族、友人、隣人、毎日挨拶をかわした人たちが一瞬のうちに、この世から消えた。被災地のかたたちは、もっと生きていたかったであろうひとたちの無念の思いを痛いほど感じていらっしゃることでしょう。そして、生きている自分は、亡くなったひとたちのぶん、一生懸命生きなくてはいけないと思っていらっしゃるのではないでしょうか・・・。

 亡くなれらた多くの方たちの想いを胸に、私も一日一日をしっかりと生きていきたいと思います。                                  

                          
 

参考文献: 1.Adi Ignatius, We had to own the mistaked, HBR July- Aug 2010, 2. Alan Cooperman, Cause and Effect, Washington post.com 1/26/05, 3. Mark Dolliver, Cause Marketing's still all to the goods, Adweek 9/28/10, 4. Stuart Elliott, For casues, it's a tougher sell, The New York Times, 11/11/09, 5. Inger Stole, Cause-related markeing: Why social change and corporate profits don't mix , PRWatch 7/14/06, 6. Elizabeth Arens, From citizen to consumer, Hoover Institution Stanford University 4/1/03

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東日本大震災。「消費者」として「企業」として、いま、何ができるのか?(コーズ・マーケティング)を参照しているブログ:

コメント

「これは、国家プロジェクトです。税金を払える財務的に健全な企業と市民が多く存在しなければ支えていけないプロジェクトです。」
同感です。多額の寄付が集まっていますが、復興のための必要な金額が寄付だけでまかなえるとは思えません。
今まで考えもしませんでしたが、1兆円なんて100億円の100倍の金額ですもんね。民間レベルの経済活動が鍵になってくるのは間違いないはず。
コーズマーケティングはこれから日本経済を引っ張っていく気概がある企業は導入すべきだと思いますし、一消費者としては、こういう時こそいい消費をしないといけませんね。

十六夜さま。コメント有難うございます。私は、消費者がまた買い控えムードになって、少し上向きになりそうだった内需が落ち込むのが心配です。でも、また、消費者が市民として、こんな状況でショッピングにいくべきじゃないと思う気持ちもわかります。ですから、企業は、そういった市民ー消費者の心理を察したうえで、購買を促すようなマーケティングをしてもらいたいと思います

興味深く、読ませていただきました。
私も本点、本当に心配です。

野球などは、速く開幕して(可能な限り関東ではデーゲームで)、会社(球団)は開催による利益を義援金に、選手は報酬の数%を義援金に、だから歯を食いしばって真剣にプレーする、とか提案できなかったものでしょうか。

また、福岡でイベント会社が関連倒産したそうですが、大変お気の毒です。
悪い流れになっています。

企業も工夫が必要ですが、我々も動き出す勇気が必要と思います。

開店休業中です。旅行どころでは無い感じです。コーズマーケティングを知り、実践してみたいと思います。ありがとうございました。

マサさま。大変ですね。コーズマーケティングは、ターゲット客の心理とか理解度を考えて、相手の心にすんなり入っていくような工夫を考えてみてください。いま、旅行をすることが、復興への貢献になるのだと納得できるような仕組みを考えてみて下さい。マサさんがそういった試みに成功すること自体が、日本の経済復活につながります。よろしくお願いいたします。

らっぱっぱさま。野球のことは、本当におっしゃるとおりだと思います。せめて、4月12日に開幕するときには、チャリティー試合にしてほしいです。
お書きになっているように、こういった時期には、企業は何をするにも、消費者心理を考え、もっと工夫をしてほしいと思います。消費者は(というか、私たち全員)、不安をかかえて引っ込み勝ちになっています。野球は、そういったひとたちを球場にひっぱりだし、みんなで一丸となってがんばろう!と訴えるよい機会になることができるはずです。チャリティ試合にして、野球場にいくことが、被災地復興に自分も少しは貢献したかもしれない。あるいは、これから自分も復興のために何かしよう・・・と思えるようなきっかけとなる仕組みにしてほしいと思います。

拝読し深く感じいるものがありました。
大企業も被災影響が少なからずあるとのことですが、
若者たちの内定取消などせずに前へ進む為にも大企業から動き出してほしいです。
私たち一人一人も少しづつ動き始めるはずです。
ただ、東京電力には、やり場のない怒りを感じます。
被曝した若者の靴・・。なんで?と。
私も不安を持ち続けていますが、前向いて自分たちの望む方向へ1ミリづつでも向います。

例えば、小さな会社や店舗でもベルマーク運動などで支援する動きがあります(スマイルピース)。また、大型スーパー(イーオン)などでも購入するとその分レシートを利用した支援ができるような仕組みがあります。こうした支援は金額こそ募金にかないませんが、長く続く、気持ちをつなげる事ができます。小さな事でもつながれば、続けば、大きな力になります。みんなが買いだめしたものの中にもきっとベルマークなど普段忘れられているものもあると思います。買い物と支援が一体となる仕組みが世の中に沢山あるといいと思います。そういうものがまとまって紹介されているページもあるといいですね。

コーズ・マーケティング、大変興味深く拝見しました。消費者としては消費に、提供者としては販売することに、なんとなく罪悪感を感じてしまうのですが、コーズ・マーケティングの仕組みは、双方の罪悪感を払拭しうると思いました。

>国家プロジェクトです。税金を払える財務的に健全な企業と市民が多く存在しなければ支えていけないプロジェクトです。

本当にその通りだと思います。税金を払い続け、プロジェクトを進めていくフェイズでは「一時の我慢」よりも、意識的にコンスタントな経済活動を、取り戻すことが必要ですね。私も通常の経済活動を取り戻さなくては。コーズ・マーケティング、取り入れます!

桜花さま。被災地で被災者のかたたちを助けて働いている人々、そして東電の状況をみても、現場のひとたちは本当に一生懸命働いていらっしゃる。こういう現場のひとたちの働きを生かすも殺すも、上に立つリーダー次第です。政治においても企業においても、上に立つ人たちは、こういった現場の人たちの命がけの頑張りが実るような意思決定をしてください。どうぞお願いしますと祈るばかりです。
こういう危機のときこそ、リーダーの資質が問われます。自分の身の保身とか考えずに、未来のための意思決定をしてほしいです。

スマイルピースやイオンの例をご紹介いただき有難うございました。おっしゃるように買い物と支援が一体となる仕組みをどんどんつくっていただきたいと思います。そして、被災にあわなかった消費者が不安とか暗い気持ちで巣ごもりして、何もしない状況にならないように・・・。人間は、小さな一歩でも、踏み出すだけで、大きな前進につなげることができます。でも、最初の一歩がむづかしいのです。それをしやすいように、企業(小さなお店でもいいのです)が工夫をしていただきたいと思います。

つきのわにゃんこさま。たのもしいご意見ありがとうございました。
>意識的にコンスタントな経済活動を、取り戻すことが必要ですね。
おっしゃるとおりです。ともすると不安で巣ごもりしてしまいたくなってしまいます。消費者も企業も、無意識のうちに、内向的かつ消極的になってしまいます。でも、いまが、よくいわれるように「日本戦後最大の危機」であるなら、今こそ、賢いリスクを積極的にとっていくべきだと思います。

【最近、「被災地の方たちのことを考えると洋服なんか買う気にもならないわ」「そうよね。もう贅沢なんかできないわ」という会話をよく耳にします。その気持ちはよくわかります。が、しかし、被災しなかったひとたちの消費活動が停滞すれば、日本の経済は冷え込むばかりです。兆単位の復興予算を、いったい、どうやってまかなうのでしょうか?】
全く同感です。
人のことを気遣い、周りの空気を読み取れるのも日本人の大きな特徴だと思いますが、日本中、自宅待機ではさらに経済が悪化するばかりですよね。テレビではようやく、「笑うだけで悪いことをしている雰囲気はよくない」とか「普段の生活をすることも重要なこと」とかコメンテーターが言うようになりました。
がんばりましょう!!

GOOSEさま。コメント有難うございます。最近、公共広告機構のCMで、電気を節約しましょう・・とかはいいのですが、「必用ないものは買わない」という箇所があります。日本のような成熟市場で、消費者が必用ないものを買わなくなったら、内需拡大どころか一挙に内需縮小です。広告機構がこういうコピーを使うなんて信じられません。「買占めするのはやめましょう」にコピーを変えてほしいと思います。

マーケティングについては全くの素人で、初めてコーズマーケティングという言葉を聞きました。多くの企業、個人が義援金を送っていますが、このたびの震災の復興に向けてはかなりの長期戦になることが予想される為、やはり別の取り組みも必要になってくるのではないかと思います。実際に日本の企業で今回の震災についてコーズマーケティングを実行している企業はあるのでしょうか?
Marks&Webというアロマオイル、自然派商品を扱う会社が現在売り上げの3%分の商品を被災地に送るという活動をしているようなのですが、現金ではなく、その企業の商品を売り上げの一部として提供することもコーズマーケティングと言えるのでしょうか? また、消費者に分かるようにコーズマーケティングをしている企業のリストなどを公開しているサイトなどあるのでしょうか?
また、企業に一消費者の意見としてコーズマーケティングを取り入れてもらえるように提案する事も考えておりますが、その場合 ルディー和子様の今回の記事URLリンクを張らせていただいても大丈夫でしょうか?

エミルさま。
 その企業の商品を被災地に送ることも、その事実をきちんと消費者に伝えて、「そういうことなら、被災者のためになるように、Marks&Web商品を買いましょう!」と消費者に購買を促すような形になっていれば、コーズマーケティングといえます。
 コーズマーケティングの良い例でいえば、野村證券が4月から「復興ファンド」を販売することを発表しました。被災地の復興支援を促す投信で、投資家は投資の利益が出ればその利益は自分のものなります。野村證券は、手数料を無料として、信託報酬の50%程度を寄付金として拠出するといっています。一万円から投資できます。
 コーズマーケティングをしている企業のリストを公開しているサイトがあるかどうかはよく知りません。たぶん無いと思います。そういったサイトをつくって、コーズマーケティングをしている企業の商品やサービスを積極的に買いましょう!と広く消費者に呼びかけることができたら、とても素晴らしいと思います。
 消費者グループとかNPO法人に働きかけて、そういったサイトを立ち上げることができるとよいのですが・・・。
 市民一人一人が消費者の立ち場から、日本の経済を復興させて、東北の街を早く再建しましょう! そういった試みに、私の記事が役立てばとても嬉しいです。どうぞリンクを貼って使ってください。よろしくお願いいたします。

よい取り組みだと思いますし、現実的に実行されている企業も多いと思います。

センシティブな問題に対してコーズマーケティングを行う際、CSRの枠組みから大きく逸脱する危険性もあり大企業は慎重にならざるをえない。また消費者からは「復興支援」をネタに広告しているといった誤解視される危険性も孕むため、注意リスクも大きい。
そこをどうするかが課題のように思います・・・

「自由の女神の修復」と「震災復興支援」では倫理観を含む程度問題が異なり過ぎて、検討を考えあぐねている企業がほとんどではないでしょうか。

suzukiさま。コメントありがとうございます。おっしゃるとおり、災害の場合は、アメックスのようなコーズマーケティングのやり方だと問題が出ると思います。野村證券が4月に復興ファンドを発売するということで、その場合は、野村は手数料は無料にするけれど、寄付は信託報酬の50%程度だそうです。商品自体が復興目的のためなので、報酬をうけとっても苦情が出ないということでしょう。
 やはり、販売商品やサービスの内容によって、企業が利益をうけとることができるかどうかは違ってくると思います。
 小売業の場合は、ゾゾタウンがやっているようにチャリティTシャツの売上全額寄付が良いと思います。こういった取り組みを店舗チェーンがすれば、ついで買いが期待できるし、家にひきこもっている消費者を外に引っ張り出すきっかけにもなるのではないでしょうか?
 災害の場合のコーズマーケティングは、経済活動を活発化し、自社のイメージ向上と他社との差別化を主要目的にすることがよいのではないかとおもっています。

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